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どこにもない平凡

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What about taking a walk to the port?
港まで散歩しようか?
You mean by that bloody bus?
あのばかげたバスで行くの?
(笑)Laugh
あ、私イギリス人みたいな言葉遣いした。
Did I speak like British?

「ばかげた」をイギリス英語では"bloody "と表現することが多い。
あんまり上品な英語とは言えないので仲のいい間柄だけで使うこと。
アメリカ人との会話でこういう語を使うと苦笑いして「イギリス英語」だと指摘される。
普段着の英語ピックアップ----------------


前々回若い友達が書いてくれたコメントで結婚相手についての自分の10代の頃のイメージを思い出した。

10代の頃自分の結婚相手はどんな人だろう、って考えただけで胸がつぶれそうに期待と不安を感じた甘酸っぱい気持ち。

今覚えているのは、当時なんとなく、
相手は
まるで遠い世界の人のような自分の想像をはるかに超える存在か、
そうでなきゃ
世間のどこにでもいる平凡そのものの男性、
どちらかなんじゃないかと思った。

まさか1人の人間が両方兼ねる、ということは想定してなかった。

今日たまたま横浜に行ったら、結婚式場のショウウインドウにロマンティックなウェデェングドレス。

ウェディングは女の人生のクライマックスだと思う。あんなドレスきてウェディングしたかったな、、、だんながしたくないと言うのであきらめてなんにもしなかった。

「あんたは私の王子様かしら?白馬に乗ってやってきたのね」って冗談で聞いた。

その冗談の発端は白馬か知らないが子どもの頃近所で馬に乗ってたという話を聞いたから、自分のじゃなく牧場で貸し馬を借りてだが。

反応は秘密にしておこう。
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by nanaoyoshino | 2012-05-31 04:07 | SimpleLife/普段着の英語

英国でタダで”プレミアリーグ”を観戦したら

だんなの大好きな例のチーム前回参照の試合に行ったことがあるのだった。

このチームは私の母の田舎同様、とっても地元ファンのサポートが熱いチーム。ココね
なもんだから、長年「シーズンチケット」という年間パスポートみたいな高額のチケットがあっという間に売る切れるそうで、めったにチケットが手に入らず、だんなも数えるほどしか試合に行けなかった。

だんなの親戚のこのチームのファンがたまたま仕事で出張となった日、フットボールファン友達がまたこれもたまたま入院して試合観戦に行けなかったので2人ぶんのシーズンチケットが余った。だもんで私とだんなにチケットが回ってきた。

もちろん、だんなは常日頃から何気なく「いや、あのさあもしも何かで試合に行けないとかあったらさあ、僕何かお礼するからさあ」などと意思を親戚にはっきりさせていた。

私も同様でだんながこれほど夢見ている試合に一回くらい行ってどんなものか見てみたかった。だから親戚に会ったとき「もしあなたのいつも一緒に行く友達が忙しくて行けないとかあったら私も」と言っておいた。

だんなはいっぺんに2人が行けないことなんてまずないよ、って言ってたのにすぐそのチャンスがまわってきた、やはりこういうことはあらかじめ言っておくべきなのだ。

なにしろ住民の半分くらいはこのチームのファンと言う土地柄だから、ほかの親戚に「僕は一度も彼からシーズンチケットをもらったことないのに」って、ファンでもない私が試合に行けたため嫉妬されてドキドキした。

スタジアムでは、まわりの地元チームのファンはほとんどシーズンチケットで来るので、いつもと同じ人たちがまわりにいた。だんなが以前来たときは地元チームが大勝利で、ふだん来ないだんなが「おまえさん勝利の女神でねえか?」的なもてはやされ方だったらしい。今回、私が勝利の女神になるかどうか、、、とだんな。

ところが、それほどのコアなファンにはさまれた私は完全に浮いてしまって、進行を確認する質問をしたり、試合自体に冷めた意見を言うたびまわりのファンに殴られるんじゃないかともうビクビクもので。

日本の野球の試合にはなんどか行って一部の真剣なファンが、実際に目の前で殴りあい始めたことはあったけど、このときのフットボールの試合ほど、全体が真剣だったことはない。

試合では無残に負けた。相手チームはエヴァトンで、ここにはなぜか勝てたことがないんだな。

終わったときは負けた側全体が沈うつムードだったけど、ビックリしたのはまだ完全に終わる5分くらいまえにすでに帰り始めた人が多かったこと。5分で大逆転、ってあまりないけど絶対ないわけじゃないのにって、この日は実際なかったけど。皆さん怒りのあまりか?

フットボールの試合は、まるで観客の怒りのはけ口みたい。

勝っても負けても、真剣すぎる表情と闘争心まるだしのボディランゲージが殺気立っていた。だんなの親戚もだんなも、ふだんみんな一見おだやかそのもの、ジェントルマンなのに、なぜあの雰囲気になじめるのか。
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by nanaoyoshino | 2012-05-28 00:46 | hundreds of days off

あの頃ベースボール、今フットボール

初めてイギリスに留学して語学コースというのでイギリス文化について議論させられたとき、あまりにスポーツに無関心すぎる私は、「イギリスで人気のスポーツ」として、フットボールのつもりがいつのまにか、「ベースボール」と呼んでいた。それで議論で組んだ日本人のほかの留学生が、「イギリスってベースボールが人気って、ほんと?フットボールじゃない?」と言われてはじめて、あれ、って思ったほどだった。

もちろんイギリスではサッカーはサッカーと呼ばれず「フットボール」。うちのだんなはフットボール好きで、最近プレミアリーグが終わってしばらくは楽しみがなくなったと嘆いている。

近頃じゃあまりに長い時間だんなのフットボール話を聞かされて、毎シーズンのプレミアリーグの順位を空で言えて、どうやってその順序にたどり着いたか経緯までわかっているようになってしまった。各チームの監督の名前だって半分くらい言える。

自分の出身地のチームを応援しているがうちにはテレビがないので、試合中ライブでネットにどんどん書き込まれるプロのコメントをチェックする、しかもプレミアリーグなり、チャンピオンズリーグなり、フットボールの試合があるときはほぼ必ずチェックする。

っていっても同時に進行している試合を、何人かのコメンテーターが、この試合では今こんなことが起きている、とかコメントしている(のだと思う、私はチェックしてないから詳しくはわからないけど)。だから自分のチームの試合を逐一チェックできるわけじゃなさそう。ただ右のほうに全チームのスコアが示されます。

でもテレビがないから(ていうかフットボールはなんだかすごいビジネスマネーが動くようで、プレミアリーグは有料の衛星テレビでしか、イギリスでも見れない)コメントだけでやむをえず満足している。でそのようすをまた聞いてもいないのに、私にいちいち説明してくれる、しかも試合があるシーズンは毎日だ。あんまりちゃんと聞いてないけど、聞いたふりをして、ちょっとでもあいづちに質問でも加えようならたいへんなことになる。説明がだらだら続いて終わらなくなるので自分がやっていたことをいったん中断するか相手を中断するはめになることも。

でもたまにコメントを見て、100%何が起こってるかわからないのもおもしろいな、って思う。言葉だけでしかもコメンテーターが関心を持ったことだけしか書かれないのが、かえって想像力がふくらんでドキドキして読める、って感じたこともある。

私はずっとスポーツ音痴だったし、父は、母の田舎で地元チームの野球をラジオなんかで聞いてるおじさんたちが大嫌いで、何がおもしろいのかぜんぜん理解できないと言っていた。だから10代の頃近所の喫茶店で隣のパチンコ屋から流れてきた常連の男の人たちが毎日、共通で最大の関心事である地元の野球チームの話をいつまでもしているとき、「こういうくだらない男とは絶対に結婚しない」となんとなく心に誓っていた。人間はもっと高尚なことに関心を持ち時間を使うべきだと思っていたのだ。

中高年と呼ばれる年代の今、街で若い女の子が「こんな彼がいい、こんな人と結婚したい」って夢中でしゃべってるのを聞いても、実際には正反対の人間(私が喫茶店で感じてた頃と)と結婚しても案外関係ないものだなあ、と思う。
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by nanaoyoshino | 2012-05-24 23:03 | hundreds of days off

幻想としての"民族"

ジプシーとは誰なのか、ほんとうにあいまい。それはジプシーが長い期間移動し、交婚し、いろんな文化や言語をとりいれてきたから。歴史的に起源がインドであっても、今ではインド人だと言えず、ヨーロッパ人だと考えられている。非ロマのヨーロッパ人と外見的な区別がつかないロマも多い。
(アメリカにロマがいるとはあまり知られていないが、アメリカのロマは多く、ただ自分からロマだと非ロマの人に言う人が少ないと聞いた。つまり外観ではロマと区別がつかないということ)

日本人には自身を「単一民族」と考えている、またはそんなこと考えたことない人が多い。でもこの何々民族の定義が、そもそもあいまいだ。

シリア人、イスラエル人がユダヤ人だと名乗り、無神論者のアメリカ人にもユダヤ人と名乗る人がいたので、ユダヤ人とは何だろうと以前思い調べたら結局「自分でユダヤ人だと思っている人」がユダヤ人といった印象だった。ほんとう?と当時は驚いたけど、ロマにしてもやはり同じことらしいし、ほかの民族についても結局「そう思っている人がその民族」という考えがわりと一般的みたいだ。

だとするとどっかの民族がほかより優越だとか、その線引きの根拠がどうやったら科学的でありえるのだろう。

言語学者によるとジプシーの特有の言葉はインド語起源が多い。これがロマをインド起源とする根拠ということらしい。移動が多いジプシーの言葉はもっと多くが外国語起源だけど、イギリスのような島国でさえ、英語のうち、70%近くがフランス語など外国語起源だと言う。

じっさいイギリスに今多いサクソンもケルトも、もともとブリテン島以外に散らばっていた。

イギリスで純粋な民族としてのイギリス人って私は想像できない。100%のイギリス人のDNAにケルトとサクソンは混じっているだろうし、ほかにも歴史をふりかえればイタリア、ドイツ、フランスなどの血が過去のどこかの時点でに入ってると思うのが自然。

差別することで優越感を持つ、というのは劣等感の裏返し。ナチスのユダヤ人虐殺ばかりが強調されるけど、一部の日本人の在日への差別はじめ、歴史に根付いた現在の差別は世界中でなくなってない。

イギリスなどヨーロッパでは差別的なことを口にすると罰せられる法律があると言う。でも最近のイギリスでもネットの書き込みを見ると、ジプシーへの人種差別はネットで野放し。日本でも北朝鮮関連の在日に関する人種差別は激しく、野放しなのと同じ。最近のイギリスやフランスでは保守政権自身が少数民族を排斥している。

日本でも人権概念をもとに、人種差別的な言論は罰する法律が作られる議論はあったらしい。が、「差別は存在しない」というふうな理由で作られなかったと聞く。日本の政治家は、発言だけ見れば幻想の世界に生きているようだ。

ちなみに、wikipediaで民族を意味する"ethnicity"を調べてみた。
wikipediaでは、民族ethnicity=people人びと同義だった。
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by nanaoyoshino | 2012-05-22 02:42 | hundreds of days off

図書館の、子どもむけの本にはまってます

最近、またボランティアの手伝いで
世界の紛争について、調べています。

私は大学は社会科学系だったのに
こういうお固いことは、やっぱ苦手。

今地元の図書館に行って
いーなーっ!
て感心したのは、子供向けの社会科関係の、すっごくよい本が多いこと。

紛争や人権にかかわるのもいろいろあって、絵や写真が多いし文章もすごくわかりやすい。
ほら、紛争って、パレスチナがどうだ、イスラエルがどうだ、コソボがどうだ、ダルフールがどうだって
いっぱいあって、それも経緯も複雑で、超ド級にわかりにくい!

社会系とかの本ってわかりにくいのがあたりまえな感じだけど、子供向けはすごい、
すっきり1時間以内で1冊読めて、苦労なくわかるのは、得した感じ。

中学校向けくらいになれば、著者の独自性がわかるほどに高度な内容で
大人にもじゅうぶんな読み応え。

ただいつ図書館行っても、低くて小さなイスとテーブルが、
子どもじゃなくて私みたいな大人に占められているのが喜ぶべきかなのかどうか
よくわからないけど。

そういえば池上彰って人の名をよくネット上で見る。
いったいこの人、なんで人気なの?
子どもニュースで有名な人じゃなかった?

なんだろってウィキピディアで調べたら、週間子どもニュースも
子どもじゃなく大人が見ていたんだって。

それで番組終了したそう。

で、あの話はずれますが、フェースブック、最近プライバシーの問題で
アメリカでは下火ってニュース読んだけど、
私はぜんぜんトレンドに疎く、
誰も使ってない頃登録してソーシャルなのに相手がいなくて使えないまま
みんなが使っていたここ数年はおろおろしているうち一度も使わず
下火になった今ごろ、ちょっと時間できたし、使おうかなって考え始めた。

まわりで使ってる人は年下の人ばかりなのですが
みなさま、どうやって使ってるのか、よかったら教えてください。
(ネットでそういう情報いっぱいあるのは見たけど個人談で聞きたいです)

私はブログの延長で
メールで実際の友達に伝えリンクさせ
こんなイベントがいいよこの本読んだよっていう
紹介などしようかと。

個人名+フェースブックで検索したけど
同じような名の人いっぱいいて安心した。

誰からも検索されたいなんて
思ってないから、あくまでもミクシのようなノリで
でもミクシよりは広く浅く、
限定された知人間で使いたい。
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by nanaoyoshino | 2012-05-11 01:54 | hundreds of days off

放浪と計算

親戚のイギリス人で、リーズで小学校教師をしてきた女性と話したことがある。リーズはジプシーの多い地域で、彼女のクラスにもジプシーの子どもが多かったと言う。

彼女は個別訪問でジプシーのキャラバン(トレーラーハウス)に行くこともあった。ジプシーの子どもの親とも仲良くなったけど、最初訪れたときはすごく警戒されてると感じたそう。でも何回か訪れるうち、親しくなっていき信頼されてると感じたと言う。

彼女が担当した子どもの1人は数学の「天才」で、家庭を訪れるうち、子どもが家の会計を担当していて、それで数学が得意なのだとわかったと。

偶然かもしれないけど私のフラットメートも、数学の博士課程の学生で、フラットに住む6人の光熱費電話代の会計を1人で受け持っていた。

国を超え放浪する民と言えば、ユダヤ人、中国人、ロマ。放浪の民はどちらかといえば警戒心が強く、元来職業としては身内的な自営業などが多いように思う。少数派になりやすいから差別も受けやすく、仲間に入れてもらえないから自営業のような自分でできる小規模な事業を子どもも親も家族ぐるみで運営するということか。

ただしロマが放浪の民といっても好きでやっているという人は、すくないようだ。どこへ行っても迫害されるから、転々とせざるをえないのがふつう。

私のフラットメイトの場合は、数学が得意というだけでなくお金の計算にとても厳密だった。ボランティアでめんどうな仕事を受け持ってくれたので感謝しなければならないけど、私が帰国した後も、請求と帰国でずれた日にち分の請求書を細かく送ってきたので、現地通貨に変えてイギリスまで送金しなくてはならなかった。

そういや私も会社やめて自営になってから(貧乏で)、計算ばっかりしてる。





追記

前回のを呼んだ挙句けっきょくロマとはなにか、わからなかった人、ごめんなさい。

ジプシーとは、定住せずジプシー生活を送る人で自分をジプシーだと思っている人。

ロマとは、インドを起源としてヨーロッパ中心に広く世界中に散らばったジプシーでやはり自分をロマだと思いロマの言葉を話す人のことを指す。(だからロマはジプシーに含まれる。)

Roxy Freemanは、片親がロマの先祖を持つのでロマと言えなくもないが、自分をジプシーと思っていてもロマと思っているようすもないのでその意味ではロマではない。

イギリスのジプシーは、彼女の母(ぜんぜんジプシーと関係ないアメリカの資産家の娘なのにジプシーの生活を自ら選んだ)のように起源がロマではない人が含まれ、このような人はロマではないと考えるのが一般的。

とはいえ場合によってはロキシーの母のような新参ジプシーも、起源と関係なく、ロマとしてとらえらることもある。

このようにジプシー、ロマの定義は専門家でも何ページも費やして説明する必要があるほど、世界共通の絶対的な論がなく混乱しがちなもよう。

このことこそがナチスによる虐殺を初めとして、ジプシー差別を処理できていない背景という。
(ユダヤ人虐殺と違って、ロマは虐殺による補償をドイツから受けてない)
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by nanaoyoshino | 2012-05-03 03:04 | hundreds of days off

ジプシー、ロマ

イギリスで学生をしていたときに、同じフラット(1フロアのシェアハウスのようなもの)に住んでるイギリス人の男の子が、自分の実家と家族の写真を見せてくれた。別に私がとくに仲がよかったわけじゃないから、たぶん誰にでも見せてたんだろうと思う。

それは家じゃなくてキャラバンとか呼ばれる、移動式の家というか、大き目のクルマというかそんなふうなものだった。キャラバンの横のひもに吊るされた洗濯物がいっぱいでやけに目だってた。家族の姿はよく覚えてないけど、妹だか子供たちが映っていたような気がする。キャラバンはたくさん、空き地のようなとこに留まってた。

最近ボランティアの仕事で記事を書いていて、ヨーロッパのジプシーのことを調べていた。もともと他の人が書く予定だったのが、彼女が忙しくなって、私はそのときイギリスに滞在していたので、その彼の記憶もあり、(彼の居所は今ではわからないけど)ジプシーのことなら書きやすいかなあと思い「私ヒマですから書きますよ」と名乗りをあげたのだ。

彼女は、日本の文献を調べれば調べるほどジプシーとは誰なのか、わからなくなるっていうふうなことを言っていた。それに加え本業でとても忙しくなってしまったのだ。

私はそのボランティア団体の本部がイギリスなので、帰国前に寄ることができるようジプシー問題担当者にアポイントをメールでとって、彼女の疑問を聞いてみた。

彼はちょっと、別世界から来た人でも見るみたいな反応で私を見た。事実、ジプシー問題のおそらく現場に関わっている専門家のような人から見れば、ジプシーっていったいどういう人ですかね、って質問するアジア人は別世界から来ている人なのだろう。

ちなみにジプシーというと差別のニュアンスを感じるジプシーたちが多いと言う。歴史的にジプシーは、想像もつかないほどの差別をヨーロッパで受けてきたのだ。それで研究者や国際団体などではジプシーでなくロマと言うのがふつう。

担当者は、私に会うなり「30分だからね、いい?」と言った。はるばる百キロ以上も遠くのど田舎からやってきたなり言うんだからね。でも、意外に1時間近くジプシーをどう定義するのかの話は続いた。

私の拙い英語で解釈できた限りでは、イギリスのジプシーの多くはロマではないちょっと違う存在であること、あと、ロマは自分をロマだと認識し、ロマ特有の言葉を話すこと、それがロマの定義に関する彼の主なポイントだったと思う。(ジプシーはロマを含む)

少なくともジプシー問題担当者には、ジプシーが誰であるか明らかだった。その彼を目の前にすると、私にも実在のジプシーがなんとなく目の前に具体的に見えるような気がしてきたが、あくまでもそれは私が短い間とはいえ同じフラットで暮らした男子学生のイメージがもとになっていた。

日本の彼女が、ジプシーとは誰なのかわからないという、それはジプシー自身によるジプシーの本がなく、第三者の本がほとんどだと言うことと関係していたのではないか?私もイギリスに行く前と帰ってからいくつかジプシーの本を読んで、彼女のいらだちが理解できた。だって読む本読む本、どうも話したこともない人びとのことを推測で書いているみたい。まるで霧がかかった視界でジプシーを見て語っているよう。

帰国後出版社の人から、イアン・ハンコックという人によるジプシー問題の本を借りて初めてジプシー自身による本を読むことができた。それで相当視界がクリアーになったように思ったが、この本はほとんどいわゆる差別問題の歴史的証拠をられつするという作業に限っていた。(この作者はそういう記事、書類をコレクションをしているよう)

Roxy Freemanっていう女性はイギリスのガーディアンっていうリベラル系新聞の記者をしていてジプシー問題というと彼女の筆によることが多かった。この人は自分がジプシーだと書いていたので彼女の本“Little Gypsy”の一部を読んだ。

知りたかったのは、ジプシーによるジプシーの生活だった。タイトルや書評からはそういうことが書かれているのかと思った。でも自分の両親のことや恋愛のことが主で、ジプシーの生活はあんまりわからなかった。というか、この人ジプシーかもしれないけど、伝統的なジプシーではない。両親の1人のひいおじいさんがロマらしいが、2人とも出自は普通の定住生活者の家族で、当時のヒッピームーブメントの影響もあって?あくまで自分からジプシー生活を選んだ。

正直、この人の自分史はあんまり楽しめず両親の話も型にはまっている印象だった。でも唯一今の段階でおもしろく感じたのは、この人のキャラバンで?火災があったときの記述。一晩中燃えるのを見ていたらしい。たいした持ち物もないから残念だけどまあいっかからだは無事だったしっていう感じで。

持ち物がないっていうのはこういうことなんだ。どこにでも行ける。何も持ってない。うまく言えないけど私はいつでもそういう状況に憧れがある。

著者の家族のジプシー生活はじっさいに30年以上続いていたわけだから事実には違いない、ただ、ジプシーの多くに共通する生活感覚とはたぶん(最後まで読んでないから断定はできないけど)ほとんど関係ない話だった。

著者Freeman(本名?)の両親は、生まれた子が死産だったとき役所に知らせず埋めてしまって警察から取調べを受けた。その例が示すように、著者の両親は世の中のきまりやしがらみを避けて、自由きままに生きていた。

楽しくステキな暮らし。でも何百年も差別され、ナチスに皆殺しにされ、ゴミ捨て場にガラクタを組み立て自分でこさえた家すら、ブルドーザーでつぶされるロマとはぜんぜん違う。
(今の時代にヨーロッパの各国で、フランス、イタリア、イギリスでもブルドーザーでジプシーのキャラバンや家がつぶされている、ほんの数ヶ月前もイギリスでニュースになっていたけどほとんど世間からの同情もなく、なんでこんなことがニュースなのといった反応が、広い差別を表している)

「あっちのジプシーといっしょにしないで」というジプシーが多くて、ばらばらだから政治的な発言も権力もなくジプシーとは何か、ヨーロッパでも明確にわかっている人が少ないというのはこういうことなのか、っとこの本を読んで改めて感じた。
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by nanaoyoshino | 2012-05-01 02:30 | hundreds of days off