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イギリスはおいしいか?<2>

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とはいえロンドン以外の町で、インドと中華以外の(*)外国料理の看板を掲げるレストランには、要ちゅうい!開店当時は「やっと本格派が到来か?」ってとこても、そのうち地元イギリス庶民のあまり高くない標準に合わせる、賢いビジネス戦略がとりいれられる。で、1,2年もすると少々迷走したイギリスふう料理に外国ふうのメニュー名をつけて、めでたく地元の人気レストランへと変貌してることも。

イギリスの食べ物の定義を「伝統的イギリス料理」とするとそもそも「伝統的イギリス料理」とは何か、ってのがなんか難しそう。イギリスは意外におもうほど、「純粋イギリス人」の率は低いというか、いないのでは、というほど。地理的に近いこともあって古くはフランス系ゲルマン系ノルマン系など、いろんな人種が混じってきた歴史の中で、純粋のイギリス料理、とかいうものは実際のところ、わからないように思える。前回書いた「パイ」は確かに長くイギリスで食べられてきたようだけど、そもそもフランス由来という説も聞く。

さらに自国の食べものへもこだわりが少ないから結果、いろんな国の味を積極的に取り入れているらしく、都会に行けばいくほど「イギリス伝統料理」に出会う機会、作る人は少なくなる。

ここで「イギリス伝統料理」をイギリス人は何と考えてるのか、英語サイトにてチェックすると、 Typical Traditional British Dishes
正直このリストの半分は、私の「イギリスのあまりおいしくないもの」リストと一致してしまうのだけど!

まあ、田舎暮らしで伝統的なイギリス主婦の典型みたいなVのお姉さんでさえ、一番の得意料理はラザニアだし。お気に入りのレシピブック、最近見せてもらったけどイギリス伝統料理なんてひとつも載ってなかったような。



*なぜかインドと中華だけはインド系と中国系がほぼ必ず調理してると見受けられる上、本物の味が受け入れられてるようす。ま田舎でのおすすめは、このインドか中華系レストランに行くか、パブ併設レストランで地元の典型的な料理を食べること。だけど、パブ併設レストランは残念ながら交通不便なとこにあることがほとんど。
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by nanaoyoshino | 2009-04-28 00:56 | 世界の庭とごはん

イギリスはおいしいか?<1>

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前回の記事で「イギリスはおいしい」に触れて、これまでさんざんイギリス人のグルメ度の低さについて書いてたので、ちょっと弁明。あの、私もイギリスに住んだのはたった2年以下です。でもその後数え切れないほど、Vの実家や親戚の家を訪ねて彼らの作る料理を食べ、田舎のいろんなとこで外食もして、ロンドンにもかなりの回数訪れまあまあ有名なレストランに行ったりし、思うことは、べつにイギリスはまずくない、ってこと。

これまで書いてきたのと矛盾するようですが、国民性として関心が薄いってことは、結果としてまずい料理と出会う確率が他国と比較すれば高い、ってことなのであって、確率の問題なのだ。イギリスの食べ物が必ずしもおいしくないってことはない。それに「イギリスの食べ物」の定義にもよるわけで。たとえばその定義を「イギリスで食べられているもの」とするか「伝統的イギリス料理」とするかでも違う。

「イギリスで食べられているもの」とするなら、例としてロンドンでもっともおいしいレストランは東京でもっともおいしいレストラにとひけをとらない、と思う。ロンドンという都会人の、レストランへの期待値も東京にひけをとらない。期待が大きければ、レストランも味を落とせない。イタリア料理、インド料理、フランス料理などは、ロンドンの本格的な店では、その国出身者がシェフであることも珍しくない(地理的政治的な近さのため)し、だから本場の味だとういうこともあるかも。

家庭料理にしても、たとえばVの親戚の会社員(男性)の作る中華料理は濃厚な味なのにあっさりした触感で、同じように彼の東南アジアのレシピも秀逸。料理が好きで得意なイギリス人男性って、そうじゃない男性より多いとまで言えないけど、とくに珍しくもないと思う。

Vのお姉さんは年齢的にも、ミートパイとかイギリス伝統的な料理が多い。サクサクしてバターの香りのする焼きたてのパイ皮と、こってりした肉、卵やチーズ、野菜なんかの具がもう絶妙。しかも野菜や果物、ジャムは庭の自家製で新鮮そのものであることも多い。こういうおいしさは、実用的な菜園があるガーデニングの文化の恩恵かも。

<写真について>イギリス伝統料理には、素朴で加工が少ないものは多い。素材がうまく生かされてれば、野菜とか、肉とかなるべく自然のままの味がおいしい。たとえば、ちょうどよくゆでて薄く味付けしたにんじんやポテトは、凝りに凝ったソースよりおいしいことも珍しくないみたいに。(もちろん下手な料理人がゆですぎて塩だけかけたブロッコリーは最悪まずい)
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by nanaoyoshino | 2009-04-27 00:15 | 世界の庭とごはん

ブリュッセルはおいしい!

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すみませんこのタイトルは「イギリスはおいしい」ってひと昔前売れた本の浅はかなマネ。本は、まずイギリスの食事はおいしくないっていう前提があって、イギリスふうに皮肉っぽく「イギリスはおいしい」としたタイトルかも。

本のタイトルは文法的にも主語と述語のズレがあって(国に味があるわけない)すごくいい。けど内容的にはイギリスの食事じゃなくって、生活スタイルのことを「おいしい」と結論づけていたわりに、何がそんなにいいのか読んでもよくわからなかった。

やや北のほうであるヨーロッパのプロテスタント圏(オランダも地域によるけど、まあそう)では、平均して食べもんに興味が薄い。そういうとこにしばらくいると、日本人の食べ物への関心の高さはほとんどパラノイア?っていう気になる。もちろんガツガツ食べようっていうことじゃなく、たとえおいしいものへの関心、文化的な食への関心、ってことであっても。

ところが、ブリュッセルは、食べもんがおいしい!ベルギー人の食への関心は、もしかして日本人以上?と思えるほど、イギリスやオランダからベルギーに行くと、その味の洗練度に大きなショックを受ける。ほんの4日くらいしかいなかった中で、私が飲み食いしたもんなんて、たかがしれてる。ワッフル、クレープ、パスタ、カプチーノ、くらい。

ところが、口にしたものはぜんぶ、驚きの味だった。

そんなにグルメじゃない私、だからあまり味の評価できるような人間じゃないですが、これまでの人生で食べたワッフル、クレープ、パスタ、カプチーノの中で記憶する限りすべてベストだったのだ。

味覚は舌で感じとるだけじゃない。香り、歯ごたえ、温度、見ばえ、水分量、うまみ、とか要素はいろいろでこういう複数のメリハリが最終的に決め手だし、やっぱり最高の味覚って芸術的だと思う。

どの店も、通りがかりに入っただけ。べつにグルメの本を見て行ったわけじゃなく、(*)一度イギリスのお金に変換後のユーロは高かったので外食としては、他の観光客にビックリされるほど安く(5ユーロ前後。これ、ベルギー人の感覚からは500円相当か)すませた。なのに、イギリスじゃよほどのとこに行かないとおめにかかれない、っていう味でした。

ちなみにユースで同じドミトリーにやってきた台湾人の大学院生2人に、「おすすめの店は?」と聞かれて、あるカフェを教えてあげたのに、戻ってきて聞いてみたら、結局テーブルにクロスかかったようなちゃんとしたレストランに行ったらしい。で何がなんだかわからないうちに魚介類中心のコースを注文していたって。結局1人100ユーロも払うハメに。さすが、日本人やフランス系民族に負けないほどグルメの中華系民族は学生なのにこの値段にもケロッとして、満足げだった。

*ガイドブックに頼らない、おいしくてお手ごろ価格の店のみつけかたって、①絶対メインストリートの店に行かない。②ある程度混んでる ③おもな客が観光客じゃない地元っぽいこと。(地図持ってるとか服装が浮いてたりキョロキョロしてたら観光客。毎日のこと、って感じで店員や客どうし、しゃべってたら地元の確率が高い)基準は世界中大差ないけど、まあむずかしい。ガイドについては、英語のガイドブックが平気なヒトはlonely planetのおすすめレストランほうが「地球の歩き方」よりは、はずしにくい気がする。
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by nanaoyoshino | 2009-04-26 01:42 | 世界の庭とごはん

2 ブルージュ一、古いキャンディーショップ

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ブルージュの地図はすごくわかりすい地図だった。(ヨーロッパの凝った地図っておもな建物がイラストで描きこまれてる)だけどその地図にはもちろん、ブルージュ一、古いキャンディーショップのイラストはなかった。で、目の前の店には看板がない。入り口のガラスドアをのぞいて薄暗い中、キャンディー屋っぽいな~と迷いつつ入った。

店内は狭くって埃っぽい。(東京の)近所の小学校裏門前にある駄菓子屋みたい。どのお菓子も、だいぶ前からそこに置いてありそうなフンイキなのも、誰もいないのも。ただしうちのそばの店には看板があり、「○○文房具店」と書いてあって、置かれてるのは駄菓子類ばっかり。奥からおばあさんが現れた。正直甘いものは何もほしくなかったのであんまり甘くなさそうな、動物の絵が袋に描いてある「ABC ビスケット」を買った。

「ここですか?」
店名が読めなかったのでちらしを見せた。
おばあさんは笑顔になった。

「ここのことですか?」
もう一度聞くと、大きくうなづいた。

べつに驚くようすもないから、このおばあさんは、この記事を以前読んだことがあるのかな。ゲラ刷り持って編集プロダクションの担当者が店にやってきたのかも。このおばあさんがパソコンやファックス使って確認するとは思えないし。

おばあさんは私に何か言った。そこはベルギーのオランダ語圏。おばあさんはオランダ語以外いっさいしゃべらない。おばあさんは私に「シノア(中国人)?」って聞いたので、「ヤパン(日本人)です」って私もオランダふうでJを発音せずに言ってみた。そしたら、おばあさんはまた大きく首を振り、「どうもありがとう」と「さよなら」って言った。オランダ語は、ドイツ語と良く似てた。

ビスケットはアルファベットをかたどったよくある、子供の教育用みたいなビスケットだった。想像どおりの、日本のぼそぼそしたビスケットみたいに乾燥して味がなくて少しだけ甘かった。

(後日談)
Vにこの話をしたら「僕の行ってた小学校の前にもあった!そういうキャンディーショップ!この近所の菓子屋とそっくりの、で、やっぱりおばあさんがいる!」と、一瞬でキャンディーショップに友達とつるんでた、童心に返ったようだった。
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by nanaoyoshino | 2009-04-23 23:43 | hundreds of days off

2 ブルージュ一、古いバー(昼はスープとパンが3ユーロ)

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大雨の中を歩いたのでもちろん、あったかいスープに胃も心もなぐさめられた。旧式な巨大なストーブの前じんどって、びしょぬれの靴と靴下が少し乾いたらなあって願ってさりげなく足をストーブ側につきだして座った。

まわりはこのチラシを見たのか、それともヨーロッパの「地球の歩き方」とも言える’Lonely Planet’の記事の載ってたのか、イギリス人観光客ばっかり。でも、みなさん個人旅行者で、とても静か。ただ上流らしいイギリス人家族連れのお父さんが、ささやくような口調でも、すでに成人して奥さんも同行の息子に、意地悪な議論をふっかけ続けて、1人満足げ。せっかくの家族旅行なのにね。

イギリスの上流家庭のことはよく知らないけど、礼儀正しくきちんとしてることを重んじるイメージ。逆に言えば表面は穏やかでも、残酷なことを言うかもしれない。壁には50年以上前の、ほとんど変わってないこの店のセピア色な写真のギャラリーが。写真のひとつには、勢ぞろいした当時の関係者の記念写真、自分の目の前にはその背景と同じ庭が、静かに雨に濡れてた。

次は、「地元のお気に入り」マーク3番目の
「ブルージュ一、古いキャンディーショップ」のことを書きます。
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by nanaoyoshino | 2009-04-22 21:55 | hundreds of days off

プラザホテルでかくれんぼ

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もらったチラシはマンガとか、フキダシとかに囲まれてたけどいちおう観光ガイド地図だった。観光行政局の若い担当者が、地元の小さな編集プロダクションに依頼して作ったのかしらってオモムキのチラシ。ぎっしりと書いてあるおどけた口語調の解説の中でも、世界遺産なんかには「観光客のお気に入り」マークが。そこに「世界遺産の意味は“多すぎる観光客”です」と地元民による注釈。当然このマークは無視して「地元のお気に入り」マークを集中的に読む。ま時間もないのでその中の3箇所を地図でみつけてまるで囲んだ。それは・・・。

①プラザホテルでかくれんぼ
②ブルージュ一、古いバー(昼はスープとパンが3ユーロ)
③ブルージュ一、古いキャンディーショップ

この3箇所がだいたい徒歩30分くらいでまわれそうな距離にあった。
まず①は、プラザホテルでかくれんぼって、そもそもこの意味からしてよくわかんない。でもとにかくここには数世紀前の教会の遺跡(死体置き場)があるらしい。

ガイドちらしに「あなたはプラザホテルには泊まらなくて結構です、ただフロントに行って、地下を見たいんですが、と言いなさい」、と書いてある。そうすれば、フロント係はすべてを理解してくれると言う。

ほんとかなあ、と思いつつ、行ってそう伝えた。ほんとだった!フロント係りはにっこり笑って「どうぞ」だって。行ってみたら一見、ただの地下室でも、壁の一部に教会の凝った彫り物のある柱が露出してる。ガラスケースに棺おけの一部が保管されてる。相当広い範囲で迷路みたいに壁や入り口が不規則に、あっちこっちにある。いっしょにかくれんぼする人がいないのが残念だったけど、確かに、かくれんぼ以外なんの使い道がないような、ホテルの地下室だった。もちろん観光客どころか、この地下では、棺おけの中の骨以外いっさい誰にも会わなかった!


次は②ブルージュ一、古いバー(昼はスープが3ユーロ)のことを書きます。
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by nanaoyoshino | 2009-04-20 22:27 | hundreds of days off

避けて通ろう、世界遺産

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「世界遺産」に行くのだけは、今後ごめんこうむりたい。まあ観光客を呼び寄せたい産業の人には、これほどありがたいシステムはないでしょう。でも旅行者のほうは、世界遺産よりもっとひんぱんに観光客の群れを見るハメになるかも。

オランダで雨風が強く、しかたなく電車で、途中出会った人のおすすめで、ベルギーのブルージュというところへ行ったときのこと。事前には知らなかったけれど、これが世界遺産のある町だった。これまでアジアでも「世界遺産」では、旗持ったツアー客のほうを観光名物より多く見る機会があったけど。

泊まったところは町のはずれでとても静か、ところが町に近づくにつれ、またまた修学旅行か?っていう数十人のローティーンが列をなして通りを埋めてる。まあ、このエリア(修道院。たぶん世界遺産)を過ぎれば、って思ったのが間違い。町の中心部へ着いたら、運河を行く船にたくさんの傘の花が咲いてる。真ん中で、ガイドがマイクでなにやら解説する大音響が、本来静かなはずの運河に響きわたる。

これを逃れて静かな教会へ。(ミケランジェロの彫刻あり)ここでも最初は「あれ、ほんとにここでよかったの」っていうくらい人がいなかったのもつかの間。2組以上の団体がきて、教会はツアー客の群れですぐに埋まりたちまち人ごみのようになった。ここでもツアーガイドが観光客を集めて歴史を開陳する風景になる。

そこを出て、窓外の大雨の音を聞きながら、ワッフル屋でワッフルをほおばりつつ、別に知り合った人からもらったチラシをじっくりと眺めた。地元が参加して作ったらしい、いっしゅの観光向けチラシだけど、次回はこのマップで知った、世界遺産の町だけど世界遺産じゃなかった部分のことを書きます。
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by nanaoyoshino | 2009-04-19 21:56 | hundreds of days off

オランダとイギリス <番外編>

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オランダといえば、売春、ドラッグ、安楽死を合法化し、実験的な国家として有名で、イギリスの方が保守的なイメージ。

後でVにオランダの民族衣装の話をしたら、イギリスの田舎でも昔おばあさんはそういう白いレースかぶってたんだって!やっぱ似てるのか?ただ今どき普通のおばあさんが民族衣装ってことは、ないって言う。いや、オランダのほうが保守的?

イギリス(UK)内で知られた民族衣装と言えば、スコットランドのキルト(タータンチェックのスカート姿)だ。誇り高いスコティッシュの、全員揃ってキルト姿のグループをなぜかオランダベルギーのあちこちで見た。ちなみにイングランドの人はスコットランドはわれわれの一部、とかるーく考えてることが多いけど、スコティッシュはイングランドとわれわれはまったく別である、と断固とした態度でいる。(だから民族衣装でお揃いで移動するのか?)

余談だけど中国の雲南省に旅したとき見た衣装のデザインのひとつは、巨大な帽子(私がよく見た帽子のつばは、直径60cmくらいでじつに華麗なものだった)、金銀のふち飾り、原色系のビロードのベストと、不思議にも映画などで見るイタリアの中世の貴族の衣装ふう。ど派手なのに、息を呑むほど斬新で洗練されてた。

なのに当然ながら若い人はぜんぜん着てない。デザインはまったく違うけど、おばあさんが日常生活(市場や田舎で)で着てる、という点は同じだった。
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by nanaoyoshino | 2009-04-18 22:57 | hundreds of days off

オランダとイギリス <2>

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伝統衣装のおばあさんが買い物する魚市場を後にして、風と雨でひどい天気だったけど、誰もいない桟橋のほうに歩いてくと、木の棒が無数に重なって立ってるのだけ見える。近づくと、素朴な小型漁船みたいなのが、ごく細い運河にえんえんとひしめきあってる。水に浮かぶ木の船や船の帆、支柱。

運河沿いの古いオランダの家は、特別な観光地でもなんでもないこんな田舎でも、イギリスより装飾的な細部に飾られてて楽しい。相当な田舎にまで目を見張るような美しい家がたくさんあるからには、きっと数世紀前の海洋貿易が、信じられないほどの富をもたらしたんだろう。(日本にも、「出島」へやってきたきましたよね。ちなみにイギリスの豪邸はほんのひとにぎり。イギリスよりオランダのほうが、富が分散してた?って家を見て思う)

家と漁船の間をどこまでも歩いてくと、葦のような植物が茂った広大な湿地の後、とうとう海に出る。海は海でも正確に言うと海に続く巨大な湾らしく、細長いから川みたいに反対側の岸がはるか遠くに見える。

対岸の岸辺に見たこともないほどたくさんの風車が並ん回ってる。風車といってもよく観光名物としてイメージされる素朴な可愛い風車じゃなく、真っ白い棒に白い細い羽がついた無駄なくシャープな、近代的な風車。日本でも海峡で似たのを数台、見たけど、ここでは果てしなく風車の列が続いて、遠くのほうは霧雨にかすんで見えなくなってた。

オランダは水とたたかう国で、水をくみ上げ干拓し続けないと沈んでしまうと聞いた。この干拓技術はオランダにとっては何世紀もの間、また地球温暖化が言われる現在も、死活問題なのかもしれない。

*ここに書かれている町はspakenburg 「スバーケンボルグ」です。
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by nanaoyoshino | 2009-04-17 23:37 | hundreds of days off

オランダとイギリス <1>

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初めてオランダのアムステルダムを訪れた時、家の屋根がオランダのほうが凝ってるなあ、って思ったくらいしか、違いがわからなかった。オランダの人は英語が話せる人が半分以上だし、見かけもあんまり、いくら目を凝らして見ても違いがよくわからない。オランダ人のほうが明るいブロンドが多いか、っていう以外違わない。その違いを見極めるには、オランダの奥へ、行ないといけなかった。

それは田舎って言っても小さな国のこと、アムステルダムから電車で1時間行きさらにバスに乗り換え30分。予想外に開けていて田舎っていうよりちゃんとした町の雰囲気だったので、バス停で下り損なって一駅歩いて戻ることになった。ちょうどその日は土曜日で魚市場が出てる、一ばん華やいだ日。日本の市場同様、屋台がぎっしりとメインストリートにテントを並べ、魚だけじゃないあらゆる日用品を売る。

民族衣装に関する「地球の歩き方」の小さなコラムのとおりに、よく見るとときどき、日本の武士みたいに肩パッドが入ったようなジャケットを着たおばあさんがいる。これがオランダの「民族衣装」らしい。すそまで長いスカートだかエプロンだかを何枚も重ねた小花柄のコットンのスカートも黒っぽくて地味。民族衣装って言っても、普通の服っぽくて目だたなかったけど、まとめ髪のてっぺんにかぶった日本でいうところの「メード」ふうな真っ白いレースだけ、特異な感じがする。

このへんのオランダ人はとくに背が高いのか、おばあさんたちはみんな背が高くてしゃんとしてて、堂々と強そうだ。オランダの人のイギリス人との顔立ちの違いは、オランダの人のほうが目が丸くて小さい人が、若干だけ多めなこと。多いっていっても少数だしもちろんとても美しい、女優のレニー・ゼルウェガーみたいな感じ。おばあさんたちもそんな感じの顔立ちが多かった。

オランダの伝統衣装は、オランダの若い人に聞いたところ「あのへんの人はある意味すっごーく保守的なのよ、だから昔のままのかっこうなんじゃ」とのことだった。(つづく)
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by nanaoyoshino | 2009-04-16 23:53 | hundreds of days off