<   2008年 06月 ( 11 )   > この月の画像一覧

41 紫陽花とウィキピディア<ナイチンゲール-2->

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「外、雨降ってる? さっき雨の音がしたけど」”Is it raining outside? I heard it
raining.”
「さあ、降ってないんじゃない」 ”I don’t know. I don’t think it’s raining.”
「あなたは視力が私よりずっと良くて、私の耳のほうはあなたより少しいいでしょ」 ”Your eye sight is much better than mine, but my ear is a little better than yours.”
「そうだね」 “That’s right.”
(カーテンを開け)「あ、やっぱり降ってる」(Opening the curtain) ”It’ raining as I
heard.”
■I don’t know. 「さあ」   実は軽いニュアンス。ネイティブに「知らない」をくり返し言われると、突き放されてる?と思うかも。でもご安心を!
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普段着の英語

ヴィンセントによると日本の気候は「暑さも寒さも激しい」。イギリスと比べて、寒さは変わらず、暑さはずっと暑い。雨はたいていずっと激しい。イギリスの雨はほぼつねに小雨。人によっては雨が降っても傘を持たずに外出する。つまりそれでも平気。

日本の梅雨を英語にするとrainy season。そう、アフリカや東南アジアのいわゆる「雨季」と同じrainy season。外国人から見れば日本にも熱帯同様雨季があり、ただ熱帯地帯より短く、穏やかなだけと言うこと?

ヴィンセントは紫陽花がとても好きで、6月には入るとあちこちで立ち止まっては感心する。紫陽花の英語名はハイドレンジャーhydrangeaというんだって。「それじゃあまるで科学の物質名みたいじゃない?」(たとえば水素はhydrogen、水酸化物はhydroxideなど)「それか、子供用のテレビ番組の仮面ライダーの兄弟の一人の名前みたい」と私は少し残念がった。だって、ハイドレンジャーではね、日本語の紫陽花のロマンチックな響きとあんまり違いすぎる。

高幡不動の紫陽花の花びらの色や葉の形・大きさ、茎のようす、背の高さなど、実にさまざまだった。後でウィキピディア英語版で見たら、紫陽花にはなんと70種類くらいあり、アジア原産であると言う。

紫陽花の青紫色は雨や曇り空の下、北側斜面の、花と同じ青紫っぽいペールな感じの光が似合う。私が以前住んでいた家の庭でも紫陽花は日陰では色鮮やかに咲いたのに、日当たりの良いところでは、色あせてそのうち枯れてしまって、次の年には咲かなかった。

ウグイスは英語でJapanese nightingale。ヴィンセントによるとイギリスのナイチンゲールもJapanese nightingaleも鳴き声は似ているという。ナイチンゲールも紫陽花と同様、夜や、昼でも木の中のひっそりした陰を好んで歌い、人に愛されている。

6月のイメージ&雨の季節を素敵な一枚に♪
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<写真について>
葉に残った雨粒のような紫陽花の花びら。
撮った場所:東京・高幡不動尊
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by nanaoyoshino | 2008-06-30 01:24 | SimpleLife/普段着の英語

40 紫陽花の森<ナイチンゲール-1->

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(高幡不動の駅の改札を出た時)
(When getting out of the ticket barrier at Takahadafudo station.)
「後であのおいしいアイスクリーム食べに行こう」 “Let’s go to have that very nice ice cream later.”
「えー! きのうもアイスクリームだったじゃない」 ”No way! We had ice cream yesterday.”
「わかったよ。じゃあアップルパイにしようか」 ”Okay. Shall we have apple pies then?”
「実はお寺よりそっちが目当てだったの」 “I see. Your real purpose for the temple was that!”
■No way! (否定的な)えー! いやだ。
■I see. なるほど、わかった、ふうん (I understand より軽いニュアンス。ここでは「実は」と意訳)
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普段着の英語

子供の頃住んでた家の庭で、春夏秋と色んな花が咲いた。誰かがガーデニングに凝ってたとか言うわけじゃない。たぶん主に世話したのは母で、私が「夏休みの課題」とかで「植物の水遣り」とか書いてしまったせいで、1~2ヶ月水を遣っていた時もあったかもしれない。あまり世話もしてなくても育つ植物だけが育ってたように思えるけど、花は多かったように思う。

とくに初夏の紫陽花と秋のコスモスは、家全体を取り囲むようだった。その間中バラが咲いたり枯れたりし、冬にはひっそり椿が咲いたりもしてたけれど。紫陽花は七変化と言われるとおり色が変わる。最初緑で白からピンクになったり、ブルーがまた白っぽくなったりしたのを覚えてる。

考えたら高幡不動尊(*)に紫陽花の季節に来たのは初めてだった。境内に骨董市が出てて、でも私たちが着いたのが4時頃だったので、もう片付け始めてた。左手の丘の途中に鐘楼があり、丘の上がハイキングコースになってる。高幡不動尊は京王線の「高幡不動」駅から1,2分と近いせいもあり人気で、いつ行っても参道から山門のあたりまでは人であふれてる。でもこの丘の上には人はほとんど来ない。

私が気に入ってる弁天池にも近いこの丘の斜面は、ほとんど紫陽花におおわれていた。もうそこは紫陽花の森という感じ。木に咲く紫陽花もある。両側に私より背の高い紫陽花が茂ってトンネルのようになった小道を歩くと、どこからかウグイスの声が聞こえてくる。

白い小さな花びらの紫陽花に「アナベル」と書かれた札がついてるのをあちこちで見た。
「イギリスにアナベルっていう人名あるの」とヴィンセントに聞いた。
「僕のいとこにアナベルって言う女の人がいるよ」
「じゃアナベルってイギリス産の紫陽花かな」
「そうかもね」
駅に戻ったら「アナベルで埋まった山はまるで雪山」、と書かれたどっかの山の観光ポスターがあり、「北米産」と書いてあった。

高幡不動尊のリンク

6月のイメージ&雨の季節を素敵な一枚に♪

<写真について>
赤ちゃんのほっぺたみたいに愛らしいピンク。
撮った場所:東京
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by nanaoyoshino | 2008-06-29 02:33 | SimpleLife/普段着の英語

39 ある失敗広告の話 <成功するモデルの条件-2->

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(薬局にて) At a pharmacy
「ねえ、きれいなモデルさんがいっぱい。写真のどの子が好き?」”Look! There are a lot of beautiful models there. Who do you like in the photo?”
「君。」”You.”
「えっ私のことは聞いてないんだけど」”What? I’m not asking about me.”
「だってどの子もきれいだと思わないんだもん」 “I don’t think anyone there looks beautiful.”
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普段着の英語

ファッション誌の撮影では、あまり銃を持ったアクションシーンなど演じないモデルたちだろうけど、とくにもともとアメリカ人であるCにはとても似合ってた。B、C含むモデル全員がプロフェッショナルだった。疲れも見せずスタッフが要求する表情やポーズを決め、撮影は順調だった。ただ読者からの反響は少なめで、スタッフからはよい評判だったけど広告としては失敗だった。

失敗したのはもしかすると、アメリカンなCのイメージに引っ張られすぎて、リアリティのない広告になってしまったから。ファッションと全然関係ない会社のテレビCMでブレイクしたモデルBは、CM以後、A誌よりエレガント寄りのファッション誌のメインモデルとして、毎月表紙を飾ってる。

ファッション誌ってメジャーなようで、けっこう読者が特定された世界。いっぽうでテレビでブレイクすれば、国民的に認知度が上がる。ファッション誌Aでも、今はテレビ連動広告でブレイクした新人モデルが人気になってる。モデルCは、ちょっとだけ押されぎみだ。

広告業界ではカメラマンやスタイリスト、ヘアメイクなど独立してる人がほとんど。そういう人たちはどんなに技術が優れていても、コネや営業力がないと成功は難しい。モデルは事務所に所属してるから本人の営業力は必要なく、他のモデルより美人かどうかもたぶん成功には関係ない。

むしろCのように非現実的な感じの美女は、お茶の間メディアであるテレビから声がかかりにくいかも。事務所の力、運が影響する。モデル個人としては意外と、仕事熱心でまじめな、スタッフに信頼される人が成功するみたい。

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<写真について>
どことなく仲良く生きてるように見える、着せ替え遊び用の男女。服から、人型にひっかけるための小さな部分が出てる。男のほうは服がずれて裸の足がはみ出して見える。モデルCにそっくりなのは、後ろの箱の絵の女の子。イギリスのおもちゃ、ユーザーの年代は??
撮った場所:東京
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by nanaoyoshino | 2008-06-25 22:42 | SimpleLife/普段着の英語

38 色っぽいモデル <成功するモデルの条件-1->

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「漫画ってイギリスで人気ある?」 “Are comics popular in Britain?”
「そうでもないんじゃない。子供のときは好きだったけどね」 “Not so much. I liked them when I was a child.”
「でもナウシカとか日本のアニメで見るの好きだよね」 “But you like watching Japanese cartoons like 'Nausicaa'.”
「あれは漫画じゃなくて芸術だろ」 “It’s not a cartoon but a piece of art.”
■Not so much そうでもない。
■not X but Y  XでなくY   とてもよく使う表現。
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普段着の英語
(前回書いた「色っぽいモデル」で、結局のところ思い出したこと。)
ファッション誌Aの広告企画で、小冊子を作ることになった。当時その雑誌の人気モデルはアメリカ人と日本人のハーフのCで、私は彼女を「ダーク・エンジェル」のジェシカ・アルバに似てると思った。それでモデルに銃を持たせ、アメリカンコミックのようなイラストの中に彼女の写真をはめ込んだら楽しいと思った。1冊丸ごとを美人スパイのアクションストーリー仕立ての広告にしたのだ。

Cはギリギリまでスケジュール調整がつかず、結局海外ロケだか帰省だかから帰って成田直行でスタジオに来てもらった。他の2人のモデルは1日拘束だったが、主役級のCはほんの1時間くらいで、メインの部分だけ彼女を採用して撮った。1時間なくとも、ひとめ見るだけで忘れられないほど色っぽく、国籍不明の完璧な美女だった。

モデルのBはその雑誌で一時トップ級の人気だったけれど、その頃は人気が下降ぎみだった。そのせいか、主役のCの背後に立ってポーズをとっても、どうしてもぱっとしなかった。カメラの前でないときは1日中陰気なカオをしてた。

結局Bは1年後くらいにはこの雑誌にほとんど登場しなくなった。かわりにファッションと全然関係ない会社のイメージキャラクター的なモデルとして、テレビCMに出演した。たぶんBのすこし堅い感じがファッション誌Aに合わなくなり、逆にCM出演した会社は、そもそもファッションモデルが、イメージキャラクターになるような会社ではなかった。

堅めの会社にファッションモデルというキャスティングの意外性が功を奏して、彼女の人気はかつてなくブレイクした。
<次回へ続く>

<写真について>
捨てられた本と一緒に捨てられて怒ってるようにも見える、ファッションモデル。
撮った場所:自宅

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by nanaoyoshino | 2008-06-23 01:13 | SimpleLife/普段着の英語

37 閉店間際の東急ハンズ

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「ブラッド・ピットがしてる時計はそんなにすてきに見える?」“
Does the watch Brad Pitt wears looks so nice?”
「確かに、いや、冗談だよ」“Sure. Well, I’m joking.”
「あなたはブラッド・ピットよりハンサムよ!」(「私にとっては」←心の中で)”You look more hansome than Brad Pitt!”(“For me.” ←in my mind.)

■Sure 確かに。 Yesと Of courseの間くらいの強めの肯定。
■I’m joking 冗談だよ 英米人にとっては冗談はマナーみたいなもの。口語では頻出。
■hansome ハンサム 日本語のハンサムとほぼ同じ意味で使ってOK.
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普段着の英語

前回仕事のことを書いたので、少し続けたい。今の会社に入った時、従業員が20人くらいだった。それが気がつくと、社会的な影響力もある存在になってた。社長が代わり部長が代わるたびに会社の流れが変わる。長年同じ会社にいてその成長を見ていると、企業の売り上げが人材によって大きく変わるとか、まあビジネスの本質みたいな部分をいつのまにか体感する。

万年平社員の私にさえ、わかることがある。企業の売り上げが伸びるときって、大胆に新しいことにチャレンジした時だ。新しいプライシング、新しい広告、新しい市場、大胆にチャレンジすれば必ず伸びるわけじゃないとしても、とにかくリスクをかけてやってみないと、大きな成功ってないものだ。

私の仕事は特殊と言えば特殊かもしれないので、仕事について振り返る。と、不思議にありきたりなことしか思い出せない。今やってることは職務上書けることに限りがあるので、過去のことを思い出そうとする。たとえばよく知られるモデルの撮影で本人に会ったこと。写真で見た以上に色っぽかったとか、意外に意地悪だったとか。でもそれだけで終わってしまい、それ以上のことが思い出せない。

心に残ったことは、セレブな女性ではなくて、彼女が身につけた商品を単独で、名もないスタジオで撮ったときだったりする。私がお願いした背景を、買いに行ってくれたアートディレクターのこと。撮影中にしばらく姿を見ないなと思ったら、帰ってきて「お待たせしてすみません」と謝る。自転車で閉店間際の東急ハンズに行って、その背景に合う小物を買ってきたと、恥ずかしそうに言った。

この人はすばらしい写真をたくさんディレクションし、私の会社の売り上げにも貢献してくれた。でも働きすぎたのか、事情は詳しく知らないが体をこわして、取引先の会社を辞めた。今でもたくさんその人にやってもらいたい仕事があったので、少し前フリーランスとして仕事してもらえないか聞いてみた。そしたら前の会社に申し訳ない、といって辞退された。

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<写真について>
ブランドバッグが砂の上に置かれている雑誌広告。それを、コンクリートの上へ、まるで打ち捨てられたように置いて撮った。
撮った場所:自宅
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by nanaoyoshino | 2008-06-21 13:27 | SimpleLife/普段着の英語

36 About this blog

“FLLLPA” is the collected capital letters from “far”, “look”, “light”, “laugh”, “positive”, and “appriciate”. These words are for me to cheer myself up when I feel down or discouraged. I’m working for the advertising area.

About "Simple Life" from 2008 January.
One of the themes of this blog is "simple life". I suppose there is no life which is just simple in the reality because we do not always live with only what we like and life cannot necessarily be fully under control. So "simple life" is not a goal. It's an attitude not to choose things, that is not prior in a long run. Most people find it difficult to resist temptations, desires and lies. As a result we often cannot continue what seemed important once. We tend to keep too many alternatives at one time which lead us nowhere after all.

What I write in this blog
I love traveling. Things I encounter in various countries are often too complex to understand. On the other hand I met my partner Vincent and his family on the way of traveling. This relation had me understood that life could be led simply. It seems my partner and his family naturally know essentials in life such as love, consideration, honesty, sincerity, hard-working ness and continuation (to achieve). This is the first hint and inspirations for my blog and I would like to write about what seems like "simple life" to me.

This blog contains such as people, books and films, conversations I (Japanese, female) and Vincent (English, male) had in Tokyo, and some holidays in Britain. I put the different names for the people that appear. Please note inappropriate comments will be deleted.
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by nanaoyoshino | 2008-06-21 02:05 | Simple Life/English

34 ジェーン・オースティンの読書会

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「プルーストってなんでいいの?」 ”Why is Proust so good?”
「想像力にあふれるてから」 “It’s imaginative.”
「フランス人ってイギリス人あんまり好きじゃないらしいよ」 “I don’t necessarily think French people like British.”
「僕はフランス行ったけどフランス人は、悪くない連中だと思ったよ」 ”I traveled to France. I think they are all right. ”

■not necessarily~  必ずしも~ない、 という意味だけど、口語でもよく使う表現なので訳はこんなに堅苦しくないほうがいい場合も。
■all right 悪くない すごい褒めことばというわけじゃないけどいちおう肯定。ニュアンスでどうにでもなる表現。
*プルースト フランスを代表する小説家のひとり
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普段着の英語

ヴィンセントは、ブンガクや音楽が好きなのに、私がそういう話しをするとなぜかめんどくさそうにすることがある。
私が今日ヴィンセントとしゃべりながら考えたこと。
「今日企画書考えててさあ・・・」
(ブンガクの話のつもりだったのに、仕事とごっちゃになった。)

広告の役割
1.市場で売り上げが行かないことを広告で解決
2.ブランド価値を継承し伝える
3.1を踏まえ新しく面白く伝える

ブンガク(またはアート)の役割
1.社会の既成の(しかし古びた)価値観(これはブンガク上の問題)を暴く
2.ブンガクの伝統的技術を生かす
3.1を踏まえた新しさを表現する

「ねー、広告とブンガクって似てる?」というのが私の結論。ヴィンセントはこれにたいして「はあー」っていうカオだけで応じた。

「ジェーン・オースティンの読書会」という本を読んだ影響で、仲のいい友達と明日初めて読書会を開くことになった。といっても、みんなで飲み食いするのが中心で、べつに堅いものじゃない。

それで友達と決めた課題図書の話がしたくてヴィンセントにふってみたわけだけど、「あのさー疲れてるんだよー」って言う。それで「じゃあ、べつに意見言わなくていいから、ただ聞いてるフリするだけでいいからさ、Yes Noとか、まあとにかくうなづくだけでもいいよ」って言った。その結果が上の状況!

明日は友達の提案で、ちょっと知的な雰囲気のフランス人のカフェで読書会。フランス語は1フレーズも喋れず不安だけど、明るい仲間たちだからなんとかなるよね。一瞬、フランスに行った気分になろっと。

<写真について>
陽だまりの椅子。誰かがさっきまですわってたのか、これから誰かがすわるのか。
撮った場所:東京

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by nanaoyoshino | 2008-06-17 01:09 | SimpleLife/普段着の英語

33 サビついたスコアボード

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「野球はイギリス発祥?」“Is baseball originated from England?”
「うーん、ラウンダーズ(というスポーツ)が野球に似ていて、イギリス発祥だよ」 “Well, rounders is similar to baseball and it’s English.”
「ラグビーはイギリス発祥?」“Is rugby originated from England?”
「そうだよ、イギリス人はイギリス発祥のスポーツでも負かされて
るんだよな」 “Yes, English invented the sports and they are beaten.”
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「普段着の英語」ピックアップ

近くの公園の陸上競技場で子供がラグビーのリーグ戦をやってた。青い空の下、空気はからっとして小学生の掛け声だけが広々としたグラウンドに響いてた。100人以上は座れそうな立派なスタンド席には、子供の親らしい人がまばらにいただけだった。前にこの場所に来たのは確か1月で、雪が降ってて誰もいなかった。積もった雪でグラウンドが一面真っ白だった。誰も歩いてないやわらかい雪の上にヴィンセントと私だけの足跡をいっぱいつけた。

丘を上って野球場の脇の小道を歩いたら、こっちは高校生がリーグ戦をやってる。高い網の向こうは目が覚めるような芝生が、傾く直前の太陽に輝いてる。芝生の向こうがスタンド席で、ジャケットをかぶった男の人が芝生の上でぐっすり眠ってる。

スタンド席はやっぱり数人が座ってるだけだった。2年位前までヴィンセントは日本のプロ野球が大好きだった。日本の野球選手や監督の名、各チームの順位などにとても詳しかった。私もラグビーのルールよりは野球のほうがわかる。大きな野球場には遠くのほうにスコア表示するボードがあった。視力が弱い私には、スコアが表示されてるのかも見えない。

ヴィンセントの隣に中年の男の人が座って日本語で話しかけてきた。ヴィンセントは日本語は少ししかわからないので、私の顔をしきりに見る。私はいちおう通訳しながら、さっき寝ていた人のあたりの芝生のきれいなところへ行ってみたくなった。ヴィンセントへ散歩に行くよ、と言ったらヴィンセントはえっという顔で私を見た。
「一緒に行く?」
「うん」
「すみません、ちょっと散歩に行ってきます」
陸上競技場よりも傾斜が急なスタンド席の上の芝生地を歩いた。男の人は木の下で眠ったままだった。

待ち時間らしい野球部員が、私たちも歩いてるスリ鉢状の一番高いところの芝生地を、ジョギングしてた。席から遠くに見えたスコアボードの真下まで来た。スコアボードはサビついてて、長いこと使われてないみたい、もしかしたら何十年も。野球をやってる人やスタンド席に座る人がはるか遠くに見える。さっきヴィンセントに話しかけた男の人は、どういう用事で来たんだろう。私たちの住む町の建物も遠くに見えた。

野球場の周りには木が生い茂って、びっくりするくらい静か。踏み荒らされてなくしっとり湿った芝生の上に座った。
「こんなとこ初めて来たね」
「この公園よく来てたのに」
「夏の花火大会はここでやってるのを、私たちベランダから見てたんだよ。人でいっぱいだから、実際にここに来たことはなかったけどね」
年1回の花火大会の日は、この野球場も陸上競技場も、駅までの道路も、大勢の人で埋め尽くされる。

野球場のハシを一周した。
「さっきの野球部員戻ってくるよ」
初めに来た入り口の壁で行き止まりだった。元に戻って反対方向へ一周しないと出られないのかな、と言いながら進んでったら、壁の横に小さな出口が見えた。

<写真について>
左の細い女と右の太った女。実際には、左のほうが太っているのかもしれない。
撮った場所:イングランド

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by nanaoyoshino | 2008-06-14 23:56 | SimpleLife/普段着の英語

32 私が会った亡命美少年ニケ<西ドイツのエマウス-5->

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「ドイツがユーロ2008でポーランドに勝ったね」"Germany has beaten Poland at Euro 2008."
「イギリスはどうなの?」 "How about England?"
「うん、イギリスは無資格だよ。予選で敗退さ」 "Well, England was not qualified. They got beaten in the qualifiers."
「あーあ、サッカー発祥の国なのに?」 "Oh dear, isn't footy originated in England?"
「まさに、その『あーあ』がイギリスサッカーファンの反応だったんだ」 "That `Oh dear` was exactly the English footy fans' reaction."

■" footy" イギリスではサッカーはfootball。さらに口語では縮まってこうなる。
■"has beaten~" 「~に勝つ」
■"got beaten by~" 「~に負ける」
■"How about~" 「~はどうなの?」"What about~" との違いはほとんどないので同じように使って大丈夫。
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「普段着の英語」ピックアップ

私が西ドイツのエマウスについて書いてきたことは、書く前まではあまり思い出すこともなかった。でもこの少年のことだけは忘れたことがない。私はこんなにも心が壊れてしまったように見える人に、今だに会ったことがない。(だからこのできごとを書こうと決めてから実際に書き始めるのに、かなり時間がかかった。)

記事やTVではどうしても書いたり撮った人の解釈が入る。それに実際に自分がその場にいて体験するインパクトは五感によるもので、得られる情報は似てるようでも、質は全く別物。だから私は知識だけある人と実際にその場にいた人では、後者の声のほうに耳を傾けるし、自分でもできるだけ体験し自分の解釈を持ちたい。

なぜ西ドイツのエマウスの家に戻ってきたのかは正確には思い出せない。ただアナベラとは楽しく過ごしたし、ヨハネス一家とは親しくなった。でも戻ってみると、ヨハネス夫婦は日々の廃品回収や、亡命者に関する手続きなどで忙しそうだった。キャンプの時に世界中から集まってた人がすっかりいない建物はただがらんとしてた。誰もいなくなった食堂の隣の空き部屋に、16歳くらいの少年を見かけたとき、べつに驚きもしなかった。エマウスの家は何かの事情で住むところが亡くなった人のためだし、ヨハネスの奥さんから、東ドイツからの亡命者が何人か住んでると聞いてたから。

最初は「ここに住んでるの」みたいなことを話しかけたんだと思う。少年の名前をニケとする。ニケは、南を向いた明るい空き部屋の隅の、マットレスみたいな、廃品の一部のような物の上にいた。ニケはまるで傷ついた動物みたいにおどおどしてた。透明な肌と、やわらかそうでやっぱり透明な感じの髪やうぶ毛がきらきら光って、人間じゃないと思えるほどきれいだった。ニケは片言の英語で自分がなぜエマウスの家にいるのか、話し始めた。

ある日ニケが学校から家に戻ったら、家はもぬけのからだった。いなくなった家族の一切の連絡先も、なぜいなくなったかの理由も、なぜ彼だけが置いていかれたのかも、ニケにはわからなかった。ニケは、家族が西ドイツに亡命したのだと思っていて、家族を探していた。たぶんニケの家族は壁が崩れる前、違法に西ドイツへ亡命したので、ニケには何一ついえなかったのだ。

ニケは涙を流してはいなかったが、ニケの心が壊れていることは明らかだった。ニケはニケを置きざりにした家族を恨むこともできず、ただその出来事をどう理解していいわからず茫然としたまま過ごしてきた、と言うふうに見えた。私はニケを慰める言葉など持ってなかったので、長いこと彼のそばにいることもできなかった。ただニケの話を聞く間、凍りついたように体が動かなかった。

<写真について>
売られてアンティークショップのウィンドウで窓の外、満開の桜を見るテディベアたちは、幸せそうだ。
撮った場所:東京

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by nanaoyoshino | 2008-06-10 23:52 | SimpleLife/普段着の英語

31.ひたすら楽観的な旅人たち<西ドイツのエマウス-4->

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「夏、ドイツ行かない?」 “What about traveling to Germany in summer?”
「ドイツはイギリスとあまり変わらないじゃないか」 “Germany doesn’t sound too different from England.”
「そう?あ、そういえばドイツ人も英語うまいもんね」 “Really?” “Oh, yes! German people speak English very well.”
「じゃなくてドイツもイギリスと同じくらい寒いってこと」 “What I mean is, it’s as cold as England.”
「でもイギリス人には、外国語話す人があんまりいないってのが、違うとこだよ」
“But the difference is not many English people speak another language.”

■“What about~ing”  「~しない?」
■“Really?” 「そう/本当?」
■“What I mean is~” 「じゃなくて、~って意味」
以上3つの表現は、会話では超便利。
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「普段着の英語」ピックアップ

それは冷戦の終わりを象徴する年。私が西ドイツのエマウスの家を去ってから2ヶ月後、ベルリンの壁が崩れた。私はギリシャでヘルムホルツと会えなかった。各地を旅行した後たどりついたイギリスへ、彼から手紙が届いた。手紙によると、彼は約束どおりアテネのシンタグマ広場の郵便局に、私宛の手紙を残していた。アテネの地図をあらためて見たら、シンタグマ広場の私が見に行った郵便局の反対側に、もうひとつ郵便局があった。

イギリスのオプスデイの寮には、(「18 オプスデイのクララ」参照)毎日のように手紙が届いた。誰かが「ナナオ!」と私に手紙の束を差し出すたび、他の寮生から「またナナオ!」と自分宛じゃないことへの失望の声が上がった。日本の家族や友人以外でもシベリア鉄道で会った人や、ドイツエマウスで会ったアナベラからもよく手紙が届いてて、アナベラがヘルムホルツにギリシャで会えたことが書かれてた。アナベラは私をヘルムホルツと駅まで送った日をきっかけにヘルムホルツに積極的にはたらきかけ、ギリシャで何週間か一緒に旅したのだそうだ。

ベルリンの壁の崩壊は、冷戦が終わったことを告げた。シベリア鉄道で会った人たちは、携帯用自転車でヨーロッパ一周をもくろんでる人や、ロシア人の女の子との出会いを期待し安物のアクセサリーをジャラジャラ持ってる人や、ギリシャの島々を泳いで訪れるという人やらいろいろだったけど、みんな共通してたのは、あんまり心配してなかったってこと。

あれから約20年、「テロ対策」の名のもとに国や信仰による差別と暴力が正当化され、あの時のように外国を平和に旅行することは、どの国籍を持つ人にとっても難しくなってしまった。国際政治の上では強者であるアメリカ人すら、弱者の国の人々に敵意を持たれてるのではないかと恐れカナダ国旗のバッチを荷物につけたりしてる。

私はシベリア鉄道後、ロシアで会った人とヨーロッパで再会したり、ドイツエマウス後、キャンプで会った人たちの実家を訪ね、さらにオプスデイで友人になった寮生たちを訪ねたり、ひたすら楽観的な旅を謳歌した。エキゾチックな場所で次々に魅力的な人たちと出会い、今思うと最高に華やいだ数ヶ月だった。その旅の終わりに、冷戦によって家族とばらばらになり、ベルリンの壁崩壊とともに西ドイツへ亡命した少年、ニケに出会った。(<西ドイツのエマウス>予定を変更し、あと一回続きます)

<写真について>
昔風のテレビみたいにも見える、額縁の写真。枠の中の写真の空と海の色は、朝・昼・夜いつにも見える。
撮った場所:自宅
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by nanaoyoshino | 2008-06-08 23:13 | SimpleLife/普段着の英語