冬の韓国の庭とごはん<2>

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いびつな形の韓国海苔がおいしくて作り方を聞いたんだけど、奥さんのことばは私にはよくわからなかった。キムチも、聞いたら自家製だった。キムチがその家の自慢みたいだった。みんなで一緒に静かにごはんを食べた。おじいちゃんは私に一度も話しかけなかった。奥さんはにこにこしてきさくで、親切だった。他にも作り置きのお総菜がいくつか小さいお皿で並んだ。

妹が一番英語が話せたので私といろんなことを話した。妹は町で仕事をしてて、旅行関係の資格を持ってると言ってた。目の前の妹はすごい美人で、韓国風のくっきりしたメイクをした写真を見せてくれたとき「きれいだね」と言ったら、すでに自分で知ってたようだった。

きのうの夜は暗くてなんにも見えなかったけど、朝起きると庭は見渡す限りの段々畑に囲まれてた。庭には柵なんかはなく、というのも他に家は見当たらず、段々畑は丸い小山の数だけ、いくつもいくつもきちんとした弧が重なってた。

犬はまだ湯気のたってる残飯を、おいしそうに食べた。トイレは庭先の犬のいる囲いの隣で、くみ取り式だった。屋根があるだけで窓はガラスがなかった。子供の頃、夜行くのが怖かった、亡くなった自分のおじいちゃんの家のトイレを思い出した。

朝ごはんの後会社へ行く妹と、一緒にその家を後にすることになった。ずっと一言も私に話さなかったおじいちゃんが、完璧な日本語で礼儀正しくお別れの挨拶をした。外に出ると空気は凍るように冷たくて、空は枯れ木の影が濃く、暗く見えるほど晴れ渡ってた。オンドルのぬくもりだけ足裏にいつまでも残った。
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by nanaoyoshino | 2008-12-09 00:19 | 世界の庭とごはん
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