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29 ヘビメタ青年ホームレス <西ドイツのエマウス-3->

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“「バーサとサムは家を30年前に買って以来、ずっと自分たちでリノベーションし続けてるよ」”Bertha and Sam have kept renovating their house since they bought it 30 years ago.”
「行くたびに模様替えされてるよね」”It looks changed whenever we go there.”
「イギリスではDIYショップが大人気だよ。でも僕は関心ないけど」”DIY shops are very popular in Britain. I’m not interested, though.”

■” have kept Aing since B過去形”  B以来、ずっとAし続ける
■Whenever・・・”  ・・・たびに
■ “・・・, though” 文末につけて”but”とほぼ同じ「でも」の意味でも、”but”より控えめな印象。
○.・.。.・・・‥……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「普段着の英語」ピックアップ

私にあてがわれてたのは、マットレスだけが置かれ、壁だけはペンキ塗りたてで、あとは廃墟みたいな感じの部屋だった。たった一人のルームメイトのアナベラは、髪の一部を金髪に染めた陽気なイタリア人の女の子だった。アナベラはドイツ人の男の人たちと廃品回収に行ってたので、朝と夜寝る前の時間だけ、私はアナベラとおしゃべりして、なんだか笑ってばかりだった。

ある夜遅く、家の管理人のヨハネスと他の人たちがジャケットを着こんで車庫に向かおうとしてた。聞いたら、ホームレスにスープを配りに行くのだそうだ。
「一緒に行っていい?」
大阪のエマウスの家でも、ホームレスへの配給を手伝ったことがある。

夜の街では大勢の人がもう並んで私たちを待ってる。ロッカーふうに、メタルのパーツの革ジャンなんかを着た人もいたけど、ほとんどがとにかく普通の青年という感じ。ドイツの若い人だから、背が高くてほっそりしてて、整った顔立ちの男女が多い。みんなスープを待ちきれないふうに集まってて、自分のボウルにスープをもらうのを待つ間は大声でおしゃべりしあって、日本でホームレスと聞いて想像するのとずいぶん違ってた。

普段の夜には、夕食後ヨハネスと他の数人が裏の林にイスとビールを持っていって、小さな焚き火を囲んだ。ヨハネスはタバコに火をつけると、夜が更けるまで話し続けた。薪のはぜる音とヨハネスのささやくような声だけ聞いてるのは心地よかった。ゆっくり落ちついたトーンで話されるドイツ語の響きは、貴族的なクィーンズイングリッシュや美しいけど自己主張が強い印象のフランス語とも違って、包み込むようにやさしい。

でも最初のうち英語に翻訳して私に気をつかってくれてた人が、話に興が乗り酔いがまわってくるうち翻訳するのを忘れがちになった。私は少し取り残された気分になって、子供みたいに寝つきのよいアナベラがもう部屋をまっ暗にして寝てる隣に、転がりこんだ。

アナベラはキャンプリーダーのヘルムホルツに特別な気持ちを持ってたらしいけど、私にはキャンプ中はそんなことは言わなかった。私がそれを聞いたのはキャンプが終わってから、アナベラの手紙でだったと思う。ヘルムホルツは考え深そうで静かな人だった。いつも穏やかな微笑を浮かべてるのでかえって私は彼が何を思ってるのか謎のように感じた。

ある晩私とヘルムホルツと、気がつくとたまたま、夜遅くまで古いレコードを聞いてた。そのときだったと思うけど、彼がギリシャに旅行に行くと聞いた。私もドイツからギリシャ、イタリアへと旅する予定だった。それでギリシャで会おうねと約束した。私がドイツを去る直前、アナベラともイタリアのアナベラの実家のある街で会おうね、と約束をした。結局私が、あとから来るヘルムホルツとギリシャで会って、アナベラとも合流することになった。ドイツを去る電車のドアが閉まる前、アナベラとヘルムホルツが私の頬にキスし、さよならを言った。<このテーマで次回最終回>
<写真について>
少女は過剰に着飾って、十分美しい。それでも"enough?"(足りてる?)と、呼びかける。
撮った場所:東京

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by nanaoyoshino | 2008-05-31 09:45 | SimpleLife/普段着の英語
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