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28 夕食はウサギの庭で <西ドイツのエマウス-2->

28 夕食はウサギの庭で <西ドイツのエマウス-2->_e0144237_12516100.jpg

「イギリスの男の学生って部屋を片付けないの?以前のフラットメートの部屋がぐちゃぐちゃだったよ」”Do British male students never tidy their rooms? My flat mates’ rooms were terribly messy.”
「学生はそんなもんだな。就職すると整理するようになるよ」 ”The students are more or less like that. They tidy their rooms whey they get jobs.”
「イギリスの男女関係も同じだって聞いたことあるよ」 ”I heard the man and woman relation ships are the same in Britain.”
■male 男の
■tidy 片付ける
■terribly ひどく
■more or less 多かれ少なかれ
○.・.。.・・・‥……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「普段着の英語」ピックアップ

ニューヨークから来た夫婦はともに真っ白く長い髪で、14歳の娘ソフィをいっしょに連れてきてた。ご主人は音楽関係の仕事をしていると言って、私が音楽の話をしたら親近感を持ってくれたのか、食事の時は近くに座った。アメリカ人の家族以外に、イタリア人、フランス人とポーランド人が1人ずつ、あとはドイツ人が5~6人で私とソフィ母子、私のルームメイトの女の子以外は男性だった。

朝8時ころ、おもに地元のドイツ人が廃品回収に行き、他の人たちは皿洗いと掃除や、ペンキ塗り、昼食の準備を始める。掃除を始めようとすると、ソフィは廊下のまん中をほうきでこすっただけで「It’s finished!」(終わった!)と言って、冷蔵庫を開けてミルクを飲んでだ。

ドイツ人がソフィの座ってる周りのイスをテーブルに上げ始め、家具をずらして裏までほうきで掃いてた。今日は大掃除の日なの、と尋ねたら、「少なくともわが家では、掃除といえばこうするだけさ」みたいな答えだった。私とポーランド人は家具までは動かさないけど、スミまでほうきできちんと掃いてた。

10時を過ぎるとなぜか2回目の朝食をとることにしていて、ソフィが「Second Breakfast!」と号令をかけると、別の階に掃除に行ってた人も集まって来た。ソフィはあどけない顔立ちだけどふっくらして体つきはもう女らしく、ぷいっと横を向いて立ったまま壁にもたれてパンを食べてるのが、絵になった。

夕飯の支度を手伝い、テーブルをスポンジで拭いてナイフとフォークを一組ずつ全員の席の前に置くころ、みんなが帰ってくる。大きなお鍋のシチューを部屋の入り口に置いて、それぞれの人が自分の皿を持ってよそった。英語初心者にとってはネイティブの発音は、ネイティブ以外の人が話す英語よりはるかに聞きとりにくい。私がソフィの親の英語をわからなくて落ち込んでたら、それをわかってあまり私に話しかけようともしなかったソフィが突然、「Don’t worry, Be Happy!」(くよくよしないで元気出して!)と太い声で言った。

一日の終わりにやることもなくて、狭いキッチンの前を通ったら、大きなテーブルの奥の席をソフィが陣取って、まわりに男の子たちが集まってる。話すでもなく長い腕をだらりとたらして、テーブルにそれぞれうつむいてる様子は、まるで全員が美しいソフィの絶望的な崇拝者であるかのようにも見えた。

ある夕方ソフィが食器やら、ボウルやらを持って階段を早足で下りていった。いつのまにか庭の建物前に大きなテーブルや、イスが並べられてた。少しずつ外から人が帰ってきて、テーブルの周りに集まった。校庭だったところにはウサギの数が異様に多かった。せっかくのやわらかそうな芝生の上はウサギの糞が多すぎて座ることもできなさそう。だんだん日が暮れてきて、気持ちいいい8月の風が通り抜けてった。

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by nanaoyoshino | 2008-05-24 23:11 | SimpleLife/普段着の英語
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