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それはそれはうつくしいシリアル

真っ白いミルクにちりばめられた、深い紫色のブルーベリーやラズベリーは、うつくしくて、しかもおいしい。

数年前、Vのお父さんがまだ元気に動き回っていたころは、Vの家でお父さんが私の朝食を用意してくれた。

e0144237_145726.jpg夏のお父さんのお気に入りは、以前はストリベリー(苺)を半分に切ったのと、それにブルーベリーやブラックベリーをトッピングしたシリアル。ちょうと左の写真みたいな。

写真:http://www.twistentertaining.com/portal/twisttip/tabid/66/Default.aspx?q=213

Vのお父さんの朝食は、べつに典型的にイギリス、というわけではないと思う。
Vによればシリアルは、イギリスでむかしから食べられていたわけではない。

日本でケロッグのシリアルがコマーシャルに突然現れたように、イギリスでもある日
アメリカのシリアルがコマーシャルされるようになっていらい、食べられるようになったのかもしれない。

冬に行けば、ポリッジといって、オートミールを温めたミルクに入れて煮た朝食に、ハチミツ、それにベリー類や、ときにはバナナをきざんでのっけてくれた。シリアルっていうのは冷たくってどうもからだが冷える感じで、ごはんぽくない。でもポリッジはあったかい。ポリッジじたいには味はないけど、ハチミツや果物をかければおやつみたい。

スコットランド出身のともだちは、みんなポリッジの朝食にかくべつな愛着があった。スコットランドでは伝統的に食べられてきたのかも。Vのお父さんはイングランド人だけど、冬は鍋くらい大きなボウルにたっぷりのポリッジが大好きだ。

春にVの実家に滞在したときはVが、夏にはもう、ヘルパーが1日4回も来ていて朝はVのお父さんに朝食を作ってあげていた。

私が買い物に行く時お父さんは「ブラックベリーかブルーベリーを買ってきてくれ」と言った。
でもこういう実はスーパーや八百屋でも売ってたり、売ってなかったり。
3軒店をまわってもなくて、かわりにストロベリーを買ってきたりするとお父さんのきげんはよくなかった。以前はストロベリーが好きだったのに。

お父さんは、数ヶ月前からとうとう老人ホームに入ってしまった。お姉さんたちが、足の不自由なお父さんの階段の上り下りを心配したから。
電話で聞いたら、ベリー類の買い物はVのお姉さんが行き、ホームの職員がお父さんの朝食を、いままでどおり作ってるって。

以前、Vが小さいとき一家で野性のラズベリーやブルーベリーをとりに野に散歩に行ったとか、聞いた。子供のころ大好きだった童話「きいちごの王様」みたいだなあ、ってちょっとうらやましかった。そうそう、きいちごって、英語でラズベリーなんだね。

*きいちごの王様
小さな姉妹が森にきいちごを探しに行って、道に迷ったところ、以前助けたいも虫(実はきいちごの王様)に助けられるおはなし。森の中で姉妹が「おなかがへった、バタつきパンが食べたい」とか言うとバタつきパンがあらわれ、ベッドがあったらな、と言うとベッドが現れる、とかいうストーリー。私は今でも山歩きで道に迷うたび、姉妹と同じように「ここにベッドがあったらな!」とかつぶやいてしまう。フィンランドのトペリウスという作家による童話で、今は日本語の翻訳が絶版になってるらしい。
by nanaoyoshino | 2009-12-28 01:22 | 世界の庭とごはん
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