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オプスデイのクララ<5>

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これまでオプスデイを紹介した学生は、みんな問題なく寮生活を送った、と事務の女性は明るく言った。
もしあなたがうまくやれたら、これから日本人学生が来たらまたオプスデイを紹介する、とも。

クラスメイトに聞いたところオプスデイは必ずしも安いほうでもないと言う。どうやら私が前いたステイ先の料金のほうが、高すぎたようだ。
もっと安いホームステイ先すら、たくさんある、でもそういうところは家がぜんぜんきれいじゃないけど気にしないで住んでると聞いた。

オプスデイの寮長の女性や、家事や執務担当の女性(女中頭ふうの大柄な女性)などは威厳たっぷりのスペイン女性で、少し怖い印象だったのだけど、意地悪は一度もされなかった。


長期滞在の女学生たちはみなスペイン人で、スペイン人たちはいつも一緒に行動した。

クララは物静かで、体が弱く外出もあまりしないので、私はスペイン人たちの賑やかなおしゃべりにいつも囲まれて行動していた。

スペイン人は、いっしょにいても勝手にスペイン語をしゃべっていた。私は控えめで物静かな人、と思われているようだった。

私もたいして気にせず、笑ったり怒ったり困ったり、表情や会話の調子が激しく変わる、チャーミングな彼女たちのようすを眺めて楽しんでいた。ほとんどがそれぞれ個性的なのだけど、みんな純真で、おそろしく美人だった。

クララには「英語よりスペイン語のほうが身につくわね」とちょっと残念そうな、皮肉まじりのユーモラスな調子で言われた。
<つづく>
by nanaoyoshino | 2009-10-12 01:41 | hundreds of days off
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