お年寄りに席をゆずるのは、東洋の専売特許?


お年寄りに席をゆずるのは、東洋の専売特許だと思っていた。
日本とか韓国とか中国は年配者をうやまう儒教的な伝統があるからと。

そうでもないらしいことに、ロンドンで気づいた。

前回ロンドンの地下鉄で私の目の前に立った、お年よりと言っても60代後半くらいの女性1人に、なんと同時に3人もの若者が席を立ってゆずろうとした。

ロンドンのど真ん中、たしかナイツブリッジのあたりで。女性は感謝して一番近くの席に座った。

ロンドンにいた数日間×複数回、ほぼ毎日、若者が年配者に席をゆずるのを目撃した。

日本では、こんなに頻繁に見ない。たんなる偶然?

もちろん、ロンドンは人種が多様でゆずられる人もゆずる人もいろんな人種かもしれないが、たまたま目にした人たちは見かけからは、どこにでもいるイギリス人だった。

ほかの都市では以前グラスゴウのクリスマスの前、プレゼント商戦で混んだとき以外そんなに満員電車に出会わないからわからない。

私も席をゆずることが、なかなかできないダメ人間。とくにサラリーマンやってたときは、ダメだった。

言い訳であるが、朝も夜も毎日くたくたでしかも長距離通勤だったので、
席を確保できたら、もう心の中は叫びだしたいくらいうれしかった。

これでやっとぎゅうぎゅうまわりから押されなくて済む。
駅で人が入ってくるたびに、自分の居場所を確保しなくて済む。
押されるたび、自分のかばんがひっぱられないよう抱えなくて済む。
何よりゆっくり本を読んだりうたた寝ができる、と。

そんなとき、年配者が目の前に押し出されてくると、
自分の疲労感と目の前の人のを比較し、
自分のほうが疲れていると判断したらゆずらなかった。
たとえお年寄りであっても。

または、次の駅に着いたらゆずろう、と思っているうちに数駅過ぎてしまい、相手が先に下りてしまった。

サラリーマンやめてからは、通勤で立ちっぱなし、電車でくたくたということがまずないので席をゆずることができると、まわりで席ゆずりが連鎖することがある。

向かいに座ってた人が別の老人に席をゆずったり、隣の人が私のゆずった老婦人の夫と思われる人にゆずったり。

親切というのは伝染するらしい。

相手が誰であろうと、自分のゆずれる何かを差しだす。

そんな社会なら、みんな少しは生きやすい。

こんな単純なことが、これほど難しい。
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by nanaoyoshino | 2012-06-11 03:26 | hundreds of days off
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