パリとケルト民族のこと久しぶりのパリは、以前来たときとまったく違って見えた。 以前のパリは寒くて暗い季節で、 小さくて質素な友人の家、 街の片隅の静かなバーや、怪しげなシシケバブの食堂、シネマ、 中東系フランス人の私の友人以外、肌の白いフランス人たちとばかり話した。 今回は夏のバカンスシーズン。 イギリスからVと出かけたのでほとんどVとだけ話す。 パリのことを知るのは、もっぱらVが買ってきた、 分厚い英語の観光ガイドによってだけ、 いってみりゃ生きたパリというより、パリに潜在する歴史だ。 たとえば、ルーブル。 たとえば凱旋門、シャンゼリゼ通り コンコルド広場。 めったにないほどに巨大な建造物に、 これ以上は無理というほど華やかな装飾が、めいっぱいほどこされてる。 目にするのは、南欧ヨーロッパ人やラテンアメリカ人、 中国人などの大勢の観光客。 それとホテルや店で働く、漆黒の肌のアフリカ系の人びと。 「凱旋門」ってなんとなく使ってた言葉も、 ふん、英語で読めばArch of triumph そうそう、凱旋って、勝利の凱旋とかって使いますよね。 ナポレオンが戦争で勝ったとき作ったのね。 なにやらおしゃれな感じの店が多いわりに、静かなマレ地区は、ガイドブックによればナポレオン3世の影響を免れ、昔ながらの街並みが残っている場所、とある。その後19Cの初頭にも、ナポレオン3世によって街が改造されたとかされないとか。 マレ地区の細い通りを歩いてたら、古い瀟洒な小城のような建物に出会う。 前でジャズとボサノバのストリートミュージシャンの優雅な演奏に、パリの比較的高収入な若い層、って感じの通りすがりの人たちがかなり熱心に聞き入る。 「あらきれい!何かな?」ってはしゃいだその建物もガイドブックを読めば、 フランス革命時代にはマリー・アントワネットの友人(貴族令嬢)が処刑された場所、とある。 イギリスの貴族の館っていえば、ナショナルトラストに管理されている。 ナショナルトラストは、多額の税金をしぼりとられて貧乏にあえぐ貴族の館を買い取って、観光客に公開し、観光客からは、高額の入場料をとって保存する。 パリに行く前にも、イギリス中あるナショナルトラストの貴族の館のひとつに行く機会があった。その末裔が(家に住み続けるため、現所有者のナショナルトラストに)家賃を払って館の最上階に住んでるらしく、よぼよぼのおばあさんが、観光用エリアと区別するロープ内のエレベーターに入ってくのを見た。教えてくれたのは、ナショナルトラストの職員で、おばあさんとは世間話の間柄らしい。 イギリスといえば貴族院とか、たしかそんなのがまだあったし、いい、悪い、じゃなく、イギリスは保守的だ。 フランス革命って、やっぱりヨーロッパ全体から見れば、すごくエキセントリックな感じがする。 イギリスには、「ウォータールー」(フランス語でワーテルロー)という名の通りとか多いんだ、とVは言う。ナポレオンの侵攻をくいとめたウォータールーの戦いを、イギリス人は誇りにしてるんだろう。トラファルガー広場っていう(ロンドンの新宿、みたいな)場所にある銅像は、ナポレオンとの戦いにまるわる軍人らしい。 ノートルダムに行ったら、Vが聖書のまつわるストーリーを表した彫刻にすっかり見入って、私はヒマだったた。そのあいだまたガイドブックに没頭し、パリっていう地名は、ケルトの「パリなんとか部族」っていう部族名から来てるのだそう。 Vの家族はアイルランド系が多い。 Vの実家に戻ってVのお父さんにケルト人がパリに最初に住み始めたらしい、お宅の家系は3/4くらいの血はケルトだと私は推測するのだ、などとのたまわったところ、冷たく返された。 「ケルト?アングロサクソン?どうでもいいよ」 人気blogランキングへ←ありがとう。クリックするとランキングポイントに追加されます。
by nanaoyoshino
| 2009-08-24 23:58
| hundreds of days off
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